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OUTDOORSHOP DECEMBER

アウトドアショップ

DECEMBER

2022.12.27

山形県山形市にある「OUTDOOR SHOP DECEMBER」。

一歩店内に入ると木の温もりが感じられ、雰囲気の良いアンティーク家具屋に来たかのようだ。また、お気に入りの喫茶店に入ったような懐かしさと心地良さもある。

DECEMBERはオリジナルブランド「DAIS」を中心とした、ハイセンスでありながら自然に馴染む落ち着いたキャンプギアを扱う。
センスの良いギアで溢れた店内をぐるりと回ると、今すぐキャンプに行きたくなってしまうだろう。

今回はそんな山形の老舗ショップ「OUTDOORSHOP DECEMBER」とは一体どんなショップなのか、また、オリジナルブランド「DAIS」に込められた思いやこだわりについて、オーナーの菊地さんにお話を伺った。

実はこのオーナーの菊地さんも、キャンプはもとより、釣りやカヌー、狩猟やヨットなど、生粋のアウトドアズマンとしても知られている。

そんな菊地さんが東北山形で営むOUTDOOR SHOP DECEMBERとは一体どんなお店なのだろうか。全国にファンを持つDAISの商品のもつ魅力とは?

また、2023年、DECEMBERおよびDAISは変革の期を迎えると言う。
その節目に、DECEMBERのこれまでとこれからをここに記す。

Chapter

  • 01.

    オーナーの欲しいものを形にしていった OUTDOORSHOP DECEMBER

  • 02.

    オリジナルブランドDAISの魅力

  • 03.

    生粋のアウトドアマン、オーナー菊地さん

  • 04.

    OUTDOORSHOP DECEMBERはアウトドアブランドDAISに生まれ変わる

山形県山形市にある「OUTDOOR SHOP DECEMBER」。

一歩店内に入ると木の温もりが感じられ、雰囲気の良いアンティーク家具屋に来たかのようだ。また、お気に入りの喫茶店に入ったような懐かしさと心地良さもある。

DECEMBERはオリジナルブランド「DAIS」を中心とした、ハイセンスでありながら自然に馴染む落ち着いたキャンプギアを扱う。
センスの良いギアで溢れた店内をぐるりと回ると、今すぐキャンプに行きたくなってしまうだろう。

今回はそんな山形の老舗ショップ「OUTDOORSHOP DECEMBER」とは一体どんなショップなのか、また、オリジナルブランド「DAIS」に込められた思いやこだわりについて、オーナーの菊地さんにお話を伺った。

実はこのオーナーの菊地さんも、キャンプはもとより、釣りやカヌー、狩猟やヨットなど、生粋のアウトドアズマンとしても知られている。

そんな菊地さんが東北山形で営むOUTDOOR SHOP DECEMBERとは一体どんなお店なのだろうか。全国にファンを持つDAISの商品のもつ魅力とは?

また、2023年、DECEMBERおよびDAISは変革の期を迎えると言う。
その節目に、DECEMBERのこれまでとこれからをここに記す。

オーナーの欲しいものを形にしていった
OUTDOORSHOP DECEMBER

DECEMBERの店内。DAISなどのオリジナルギアを中心とした洗練されたギアが並ぶ。

DECEMBERは2009年に山形県山形市にオープンした。

「私自身、出身は岩手なんですけど、大学が山形のこの辺りで青春時代を過ごして知り合いも多いし、何より自然が身近なこの地への思い入れが強かったんですよね。」

OUTDOORSHOP DECEMBERは当初「喫茶店+アウトドアショップ」という構想でスタートしたそうだ。

「実はアウトドアショップの方が間に合わなくて、当初は喫茶店としてスタートしたんですよね(笑)」

当時はまだ今のようなキャンプブームではなく、キャンプやアウトドアのショップは少なかったと言う。

「当時あったのは登山用品店くらいでしたね。オリジナルのキャンプギアを扱うお店はあまりなかったと思います。キャンプブームではありませんでしたが、その頃、キャンプ熱が私の中で再燃していて、とにかくアウトドアが好きだったというのがショップを始めたきっかけです。」

生粋のアウトドアズマンでありDECEMBERのオーナーである菊地さん。

お店の名前になっている「DECEMBER」は菊地さん自身が12月生まれということに加えて、季節の中で冬が好きだということに由来している。

「アウトドアショップなので、季節を感じられて自分のルーツにも関わる店名にしました。ロゴのアイコンも地元の岩手にある室根山をモチーフにしてるんですよ。このアイコンのように、見事な台形の山で、子供の頃によく室根山に行って遊んでいました。」

店内は木の温もりが感じられる雰囲気の良いDECEMBERだが、
菊地さんにお店のこだわりを聞いてみた。

「自分の好きなものを並べている感覚です(笑)。最初はオリジナルの他にヴィンテージとかレトロだったりとかでアウトドアにあまり関係のない、私の趣味のものも並べていました。」

確かに著者の感想を言うと、良い意味であまりキャンプキャンプしていないと言うか、インテリアショップや雑貨屋を思わせるキャンプギアショップといった印象だ。

DECEMBERオリジナルカラーのTrangia ケトル

DECEMBERと言えば、Trangiaのケトルやメスティンのオリジナルカラーを思い浮かべる人もいるかも知れない。

「Trangiaには昔この赤色があったんですよね。その赤がとても好きで、ケトルの赤なんかもその時プレミア値が付いていて、入手しづらかったんです。メスティンも好きだったので、復刻的な感じで赤色を作って、その後にケトルの赤色を作って、反響も大きかったのでオリジナルのオリーブやベージュを作っていきました。」

LIGHT HOUSE STUDIOのカスタムグローブ。「灯さずとも語り、灯せば心奪われる。」

また、フュアーハンドランタンのホヤをアンバーカラーにカスタムした商品も人気だ。

「キャンプに行った時にフュアーハンドのランタンを使っていて、ホヤの色を変えたいと思って。元々カスタムするのが好きで、自分が欲しい物を形にしていった感じです。」

DECEMBERのお店の雰囲気や、オリジナル商品のアイディアは、
そんな菊地さんの趣味やキャンプ体験から生まれたものなのだろう。

DECEMBERの外観。向かって左が店舗で、右側は元々カフェだったスペースで現在は事務所になっている。

オリジナルブランドDAISの魅力

DAISの「CAMP WARE」。見た目の可愛さもさることながら、メラミン製で軽くて丈夫なため、アウトドアにも適している。

いくつかあるDECEMBERのオリジナルブランドの中でも歴史が古く、人気のブランドである「DAIS」。名前の由来は菊地さんの下の名前「大二郎」と、当時、ブランドを手伝ってくれていた「大輔」さんの二人の名前から名付けたそうだ。

「マークもよく見ると分かるんですけど漢字の『大』の字で形成されているんですよ。なかなか気付いてもらえないんですけど(笑)。」

珍しい琺瑯のオリジナルシェラカップ。確かにロゴマークは「大」の文字で形成されている。

DECEMBERの象徴とも言えるDAIS。そのこだわりは何なのだろう。

「世の中にないもので、使っていて居心地の良くなるもの、プロダクトとしてデザイン性が高いもの。それが作りたくて始めたのがDAISです。」

今まで多くのDAISの人気商品を生み出してきたが、その中で一番のヒット商品は「ギア&ログキャリー」だそう。

DAISの人気アイテムの一つ「ギア&ログキャリー」。箱のように自立し、出し入れがしやすく、持ちやすい。

「ギア&ログキャリーは2サイズ、もう少し小さいツールキャリーという商品もあります。」

聞くとこちらの商品は元々マチのない薪運び用のログキャリーという商品として発売されたそうだ。

「車に載せるとパラパラと崩れちゃうんですよね。これはマチがあった方がいいと思い、マチ付きの今の形になりました。」

布製なので少し遊びがあるため、入れられる量に許容範囲があるのも嬉しい。

「ピクニックチェアやそれに合わせて作ったピクニックテーブルも人気商品です。キャンプはもちろん、コンパクトなので、パッと持っていって、自然の中でお茶やコーヒーを飲むのにも使えるのでオススメです。」

カラーバリエーションが豊富な「ピクニックチェア」。手軽に持ち運べるコンパクトサイズでありながら、座り心地も良い。

DAISの魅力は、飽きのこない洗練されたデザイン、また、使っていて心地の良いその質感に他ならない。

「基本的には自分がキャンプに行っていて、こんなのがあったら良いなという発想から商品づくりをしています。」

自社の縫製工場もお店に併設されているため、菊地さんのアイディアを形にするのにも時間を要さず、すぐにサンプル作りができるのも強みだ。

DAISがファブリック系のギアに強いのも、現場とのディスカッションが密に行われているからだろう。

敢えて非対称にデザインされたカッティングボード。ウォールナットの高級感がありながら、厚みもあるため実用性を兼ね備えている。
DAISの記念すべき第一号製品「TEA TABLE」。マグネットを使用することにより組み立ての為のパーツは見えないようにし、折りたたみ式である事がわからないようにした菊地さんの力作。
DAISオリジナルのペグハンマー。樫の木の柄にしなやかな牛革が巻かれている。軽量なため女性やお子様も気軽に使うことができる。
DAISのコットンタープ「キャンバスルーフ」。ロウを染み込ませたパラフィン帆布で作られている。使い込むほどあじわいを増していく特別な一枚になるに違いない。

生粋のアウトドアマン、オーナー菊地さん

キャンプはもとより、釣りや狩猟、カヌー、そして最近ではヨットやきのこ狩りと、アウトドアな趣味が多岐にわたる菊地さん。

アウトドアズマンであればどれも興味のあるアクティビティだが、意外と始めるきっかけがなかったりする。
菊地さんのその原点はどこにあるのだろう。

「キャンプに関して言えば、本当に小さい頃から始めたのでいくつからやっているかは分かりませんが(笑)、子供のころにボーイスカウトをやっていた経験が大きいと思います。」

釣りは渓流から始めて、中学生になる頃にはフライフィッシングを始めていたそう。著者もフライフィッシングに興味はあれど、なかなかその一歩目を踏み出せずにいるので菊地さんのアクティビティ歴が羨ましい。

「当時フライフィッシングも日本に浸透してきた頃で、NHKでキャスティング講座の番組をやってたりしました。それを録画して何回も見たりして、独学で勉強していましたね(笑)。」

山形に戻って来てショップを始めた頃に、狩猟も始めた。
最近ではジビエ料理を提供するお店も増えてきていて、狩猟に興味を持ち始めている人も多くいるかも知れないが、菊地さんの狩猟は主に、キジやカモなど鳥類を獲物とする。

「狩猟の魅力は獲物を探すのも楽しいし、見つけた時や獲った時の喜びは言葉にできないものがあります。狩猟には猟欲(りょうよく)という言葉があるんですよ。やってみると猟欲って本当にすごいんですよ!『獲りたい!獲りたい!』っていう(笑)。」

物欲、食欲、睡眠欲なら聞いたことがあるが、猟欲は聞いたことがない。
聞くと猟欲とは「獲物を獲りたいという強い欲求」のとの事。
「でも、猟欲に支配されると、安全確認が十分でない状況で引き金を引いてしまうなど、重大な事故の原因となるので最大限の注意をする事が重要です。」

狩猟というのは、獲物のいる場所に行って、銃の正しい知識を持てば出来るものなのだろうか?
菊地さんに聞くと、初心者はまず獲物を見つけることも難しいという。

「元々カヌーをやっていて水辺もよく行っていたので、カモがどこにいるかも分かっていたので、私は初年度から捕ることが出来ました。キジなんかも子供の頃から見てはいたので、なんとなくどういう場所にいるという感覚はあったのですが、キジは獲れるまで1年はかかりました。」

獲った獲物は自ら捌いて調理する菊地さん。
キジやカモというのはそもそも美味しいのだろうか?

「キジは出汁が濃いので、その出汁でとろろ汁にすると最高ですよ。カモなんかも普段みなさんが食べているのは合鴨といってアヒルだったりするのですが、カモは鶏肉と言うより牛肉といった感じです。美味しくするには手強いですが、調理のスキルを身につければ本当に美味しいです。」

菊地さんのアウトドアの趣味は色々とやっているようで、どれも菊地さんの「自然をダイレクトに感じたい」という思いが共通している。
カヌーも長く楽しんでいるアウトドアの趣味の一つようだ。

「カヌーの魅力は、なんでしょう。やはり水に浮かぶ感覚が好きなんでしょうね。カヌーと言ってもスタイルがいくつかあります。カヤックでフリースタイルであったり、川下りであったり、カナディアンカヌーが好きな人、SUPの人はSUP、海でシーカヤックをやる人もいます。私はというと、全体的にというか、カヌー全般が好きで、シチュエーションによってそれぞれ楽しんでいる感じです。」

あまりこれと決めずに、興味のあることに思いのまま飛びこみ、シチュエーションに合わせて適した手段で楽しむ。
菊地さんのアウトドアの趣味が子供の頃から繋がっているのは、好奇心と柔軟性を兼ね備えているからかもしれない。

OUTDOORSHOP DECEMBERは
アウトドアブランドDAISに生まれ変わる

OUTDOORSHOP DECEMBERは、2023年に転換期を迎える。

2023年3月から「OUTDOORSHOP DECEMBER」はアウトドアブランド「DAIS」として生まれ変わると言う。

「今までアウトドアショップをやっていく中で、取扱商品もオリジナルブランドの割合が増えてきたんです。ブランドとして集約して分かりやすくしていこうと思っています。」

確かに「DAIS」「LIGHT HOUSE STUDIO」「DECEMBERオリジナル」とどれもDECEMBERのオリジナルブランドでありながら、意外とその事実を知らないまま購入していく人も多かったと言う。

「お店の名前も『DAIS』にし、アウトドアブランドのショップという、分かりやすい位置付けにしようと思っています。」

もともとモノづくりをしたいという思いもあってお店を始めた菊地さん。DAISというブランドのモノづくりも、今後も自然素材からつくることにこだわっていきたいそうだ。

「基本的には布がベースにはなってきますけど、自然素材にはこだわっていきたいですね。コットン、木、革であったりと、プラスチックや化学繊維を極力使わないものを作っていきたいと思っています。」

また、これまではキャンプ道具が中心ではあったが、自身の趣味を生かした商品展開も広げていきたいと言う。

「今までキャンプ以外の商品づくりはあまりやってきませんでした。今後は釣りにまつわるものであったり、需要は少ないでしょうけど狩猟にまつわるものも作っていきたいと思っています。」

今後は一般的な仕入れ商品はグッと絞り、オリジナルブランドDAISの世界観を強く打ち出していくつもりだ。

また、日常生活にも使えるような商品も考えているとのこと。

確かにDAISの商品は、キャンプだけではなく、日常に近い距離でもマッチし、自然やアウトドアを身近に感じることが出来そうだ。

「タープとか、意外と自宅用のご依頼を頂くことが多く、そういったLIVING(暮らし)向けの商品もDAISの一つのラインとしてやっていけたらなと思っています。」

DAISが、これからアウトドアを楽しみたい人のきっかけになってくれたら嬉しいと、菊地さんは言う。

「私自身、色々アウトドアの趣味をやるのですが、どれも気軽にやってるんですよね。何かアウトドアを始めたい人がライトな気持ちで入っていける、そんな手助けができるお店づくりや商品づくりを、これからもしていきたいです。」

アウトドアの趣味を始めるとなると、それなりに気負ってしまい、一歩目がなかなか踏み出せない人もいるだろう。

菊地さんのように気軽な気持ちではじめて、長く楽しむことが出来れば、あなたのアウトドアライフは今よりも豊かになるかも知れない。
DECEMBERはそんな生活を手に入れたい人の手助けとなるお店になる。

2023年もDECEMBER、DAISから目が離せなそうだ。

2009年山形市にOPEN。
海、山、川とあらゆるフィールドで遊ぶ中で生まれたアイデアを形にしたオリジナルブランド「DAIS(ダイス)」の他、独自のアンテナでセレクトしたビンテージアイテム、こだわりのカスタム品など、唯一無二のスタイルを提案する異色のアウトドアショップ。

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